落合博満は中日をどう変えたのか。
話題になってから随分経ちましたが、やっと読みました。
野球を応援するなら中日ドラゴンズ一択なのに、本が出てから半年以上経過してから読む時点で、僕もまだまだダメだなと思いつつ、いろんな課題図書に追われていたなかでやっと辿り着いたわけです。
さて、中身ですが、平成16年に落合さんが中日の監督になってからのドキュメント。
どんな思考で、どうやって勝ってきたかを探っている。
就任1年目で大型補強は何もなく、「選手の実力を10%上げれば優勝できる」と言って見事に優勝したのは、ものすごく衝撃を受けた。
その背景は選手がどこまで必死に自分自身を仕上げていくかを見定めるためで、ここから聖域なき改革を断行していく。
それまで「スター選手だから」という理由で絶対的なレギュラーだった選手も慢心や衰えがあれば容赦なく替えていく。
気づいたらメンバーが固定されて、それがチームの核になっていく。
特に重視したのは守り。「相手に得点を与えなければ負けることはない」という信念のもと、ものすごく力を入れたようだ。
そのために、毎日同じ場所から動きを観察。
情に絆されず、現実だけで判断する。潜在的な能力があり、大きな力になるならアドバイスする。自分のことは自分で守る。ものすごく冷徹な感じがするけれど、それでも結果を残してきた。
選手に「弱いチームになりたくない」と言わせてしまう統率力。
絶対的な正解がない中で、常に最適解を求めてきた結果だろう。
これは落合博満さんに、ありたい姿がしっかりと確立をされていて、その実現のために何をしたら良いのかを一つずつやっていった結果だ。
対話はかなり少なかったように描かれているが、実際にはどうだったのだろうか。
ただ、一つ言えるのは、しっかりと結果を出してきたということ。
見極めるという点では、ものすごく参考になるし、自分で決めさせるやり方がものすごく上手なんだなと本を読んでて思わされました。