日本は狭いようで広く、多くの地方公務員の方がいらっしゃいます。中でも飛び抜けて成果を出している”スーパー公務員”と呼ばれる方もいるわけで、正直なところそういった方達への憧れや羨望は43歳になった今でも持ち続けています。
今回読んだ本は、糸島市の職員の岡さんが書いたもの。
個人的に糸島市といったら、魏志倭人伝の頃の伊都国とはちみつのイメージの他、行ってみたいラーメン屋さん”天をも穿つ”があります。
さて、本題に戻ります。
公務員のマーケティング力と聞いて、何かピンとくるかどうか。
役所だと部署ごとに施策を遂行するにあたり、漫然とこなすよりも、その先に誰がいるのかを意識した方が効果は上がるのではないかなとも思っています。
その具体例の紹介がこの本の良いところだと感じました。
⒈読みやすい
見開き1ページで左には説明の文章。右には図表を用いたイメージ。
難しい用語も丁寧に解説してくれていて、まずは読みやすいです。
どういった過程で企画し、政策立案に繋げていくかもわかりやすく紹介してくれています。
企画とか、広報とか、産業系とかそういった部署の人しかできないことかというとそうでもなく、どの部署でも絵を描いて、わかりやすく周知し、関わる人たちと協働して仕事を進めていくことで仕事は面白くなっていくものだと思っているので、その具体例が紹介されているのは、特に若手から中堅にかけての人たちには知っておいてもらいたいこと。
⒉使ってみたいこと
個人的にSWOT分析については今まで1ミリもピンときていませんでした。※今まで何かの場面で見かけてもググることすらしていませんでした。
S(Strengths、強み)
W(Weaknesses、弱み)
O(Opportunities、機会)
T(Threats、脅威)
この本で初めて見かけた四つのこと。これらの掛け合わせによる分析は事業をどう進めていくかをものすごく左右する気がします。
SOだったらどんどん進めていけば良いし、WTだったらやめる。その街にあったやり方があるので、よその成功事例がそのまま使えるかどうかはしっかり分析する必要がありますね。
他にもそもそものマーケティングということでは、これまでいろんな本でも見かけてきたペルソナ設定の具体例がそのマーケティングということなのかなと感じています。
3Cで環境分析。CはCompany,Customer,Competiter(組織、市民、競争相手)
STP(セグメンテーション・ターゲティング)で細分化してグループ分けし、ターゲットを決める。
4Pで戦略を立てる。PはProduct、Place、Promotion、Price
ものすごくヒントがいっぱいです。
窓口形での肌感だって、必要な分析には欠かせられません。もちろん企画や事業系なら意識はしておきたいことなんだなと感じます。
⒊まとめ
役所の仕事においてはほとんど多くの部署でなんらかの分析をしていく必要があるし、そこから得られたものによって、どういった施策が進められるかを考えるきっかけになります。
街の規模の大小もある程度影響するかもしれませんが、その目玉施策として尖らせたい街は尖らせれば良いのですし、磨きあげるだけでもきらりと光るものになるかもしれません。
あと、本の終盤戦では、仲間の大切さも説明がありました。どんなにすごい人でも一人の力では足りない。いろんな人と出会い、よく対話し、そして一緒に頑張る姿勢ってものすごく大切だよなぁと改めて感じさせられました。
全国のどこかにいるすごい人の事例も参考にしつつ、実は身近にもものすごい人がいるのかもしれないということも忘れずに、良い仕事をしていきたいなと思う人が増えると良いなと思った。もちろん、僕もできるところからちょっとずつやってみたい。