メインのタイトルだけ見ると、「なんだ、ただの出世のための本か?」って思わされるけれど、そうではないのが堤直規さんのこの本。
副題にも表紙の角にも書いてあるメッセージを見逃さないで欲しい。
・組織内外で信頼されるよに出る公務員のススメ
・自治体の枠を超えて信頼され、活躍する職員の考え方とは?充実したキャリアを送るための実践的アドバイス!
とあります。
出世の読み方、考え方について、”まえがき”をしっかりと確認しておきたい。
なんとなく、公務員業界では出世を口にすることはNGワードな雰囲気があるのだけど、切ることができないことだし、
「出世」には様々な形があること、そして、「出世」伴う「大変さ」を大きく上回る「面白さ」や「やりがい」がある
このメッセージに辛い仕事が続く中でも、心が躍る気持ちにさせられます。
事実、近年はSNSのおかげか全国で活躍する自治体職員の姿がものすごくタイムラインに流れてきます。時々嫉妬心すらあるくらいですが、その人はその人なりのものすごい努力をされているわけだし、幅広い信頼を獲得するまでの実践は何歳になっても参考にしたいとも思う。
⒈公務員はなんのために働くのか
これをもう一度考えさせられました。
偉くなればなるほど、責任は大きくなるし、管理職になると年収が減る?なんていう噂を聞いたりしたこともあります。
実際のところは、なった人の感覚によるものだと思いますが、周りにいる管理職の人の凄さを感じる事が多いので、”こんな風になれたら良いな”とも思う。
それから、自治体職員は地域との関わりが不可欠。
しかも仕事とは別にボランティア活動だってかなり大切な位置付けにもなってくる。それは”生の声”が聞けるから。
特に今はAIだとかリモートだとか言われている時代だからこそ、大切にしたい”現場主義”という考え方。なかなか重い腰が上がらないこともあるけれど、実際に仕事以外での関わりで仲間になる人がいると面白さや充実感が広がります。町内会や学校のPTAが身近だけれど、それ以外でも何らかの地域活動をしている団体でも良さそうだなとも思う。
⒉大切にしたいこと
これはどんな立場であっても大切にしたいことになってくると思うけれど、それなりの立場になったらかなり重要視することになるであろう事がある。
それは、
健康。
そのための心づもりとしては、
・忙しさに心を奪われない
・「密度の濃い」毎日をすごす
・しっかり休む ※調子が悪いと思ったら早めの医療機関受診
・疲れにくい体をつくる
・家族との時間を大切にする
そういった事だと改めて認識させられます。
⒊未来はわからないけれど
毎日、丁寧に生きていく。
そしてできることはどんどん進めていく。
やってみたいことはどんどんチャレンジしていく。
将来、どんな風になっているかのありたい姿を描きながらも、実際は思ってたより違うこともあるかもしれないけれど、それはそれで楽しむ。
いろんなご縁を大切にして、感謝する。
そんな生き方をしていきたいなと思わされる本でした。
若手・中堅・管理職に拘らず読んでみると面白いと思います。