守屋洋先生の解説による文庫本読みました。
兵法といえば、『孫子の兵法』が有名で、多くのビジネス書でも扱われています。
他にもいろんな戦略に関する古典はあるのですが、なかなか取り上げられる事がありません。
この三十六計は読んで字の如く、36の戦略についての紹介。
そして、副題の、「力」ではなく「頭」で勝つための戦略・戦術とあるように、力でねじ伏せるだけが戦いではないという事を、歴史的事実を引用しながら解説してくださっています。
36の戦略については、外交交渉によって相手の意図を封じ込めることや、謀略によって相手の力を削ぎ、内部崩壊にみちびくことを重視し、いかに損失を防ぐかを説いているような感じです。
瞞天過海、囲魏救趙、借刀殺人、以逸待労に始まり、反間計、苦肉計、連環計、走為上まで、三国志や楚漢戦争、秦の始皇帝、戦国時代、その他世界史の重要な戦いを引き合いに出しており、非常に想像しやすい内容になっている。
何と言っても印象的なのは、最後。
逃げる事も大切な戦略。
これは不確実な現代社会だからこそ、大切な要素ではないかと感じている。