たまたま図書館で見つけて借りてきた本ですが、これもまた面白い価値観との出会いでした。
「正解を出す力」にもはや価値はない!
と副題にあるように、今はVUCA化してそもそも何が正解なのかが難しい時代。
人々の生活や思考は多様化し、納得解を導き出すことが大事な時代とも言われています。
⒈今までのやり方との比較
この本の面白いところは、いろんな事実に基づいた今までのやり方と今のトレンドとの比較です。
特に面白いと思ったのは、マーケティングに関すること。
2007年頃の携帯電話市場は初代iPhoneを除いてほとんどが折りたたみ式携帯電話。これは使い勝手や欲しい機能を調査に調査を重ねた結果、どのメーカーも同じ型になっていたのだろう。
しかし、現時点で生き残っているのはiPhoneだけ。ほとんど多くのメーカーは携帯電話事業から撤退してしまっている。
というような記事があったこと。この本の執筆は2019年とのことなので、2021年の今とは新型コロナウイルスの影響がある前とはいえ、似たような状況にある。
この記事を確認したときに「あ!」と思ったのが地方公共団体のいろんな施策だ。
ある街がある施策について、ものすごい成果を出したとき、うちの街も同じ事して同じ成功を得よう。なんて考える。短絡的に真似してみようとして上手くいかないことだってある。
上手くいっても次のフェーズを迎えている場合もあり、一歩遅れた形になることも見受けられる。
※だからと言って、突き抜けたことをした方が市民にとって幸せかどうかは別問題。対話が必要と考えています。
⒉トライアンドエラーにこそ面白みがある
今までの定石が良い場合は多くのことであり得る。
しかしながらちょっと間違えてしまったがために得られた新発見も大事にしたい。
道を間違えてしまったがために、実は近道を発見することだってありえる。
いったことがない場所に行ってみたら、綺麗な景色を見られることもある。
失敗しないことは大事なことだけど、失敗から得られたことをもっと大事にできないとね。
組織で働いていると、新規事業に「エース級」の人材が投入されることがある。
そのエース級の人は実は今までの仕事が楽しくてやっていたがために成果を出していたかもしれないが、畑違いの新規事業を楽しめるかどうかはその人次第。案外楽しんでやっていると成果が出やすいのも今のご時世よくあること。
⒊気合と根性だけでは、、、
気合と根性だけで、我慢に我慢を重ねてやっていくのはちょっと違う。
孫子を引き合いに出して、「逃げる」ことも大事というのがニュータイプ。
さっきのトライアンドエラーの続きになってしまうけれど、挑戦していけるかどうかの見極めを早めに打つ。
撤退はカッコ悪いことではない。
Amazonだってこの10年間の間にかなり多くのことに挑戦して、撤退しているようだ。
一度始めたことをやめる時、勇気が必要。
やめる勇気。
今までそれに恩恵を受けてきた人にとっては大ダメージだもんね。それでやめられなくて、新規事業も増えていったら、人的余裕的にも厳しい。あれ?どこかで聞いたことがある話だぞ。
※やめる時こそ内外において対話が大事だと重ね重ね思う。
⒋まとめ
コロナ前の本とはいえ、新しい価値観を見出すのに面白い事例がたくさんあります。
いろんなデータ分析や哲学者の研究も紹介されているので、職業問わず一度は読んでおきたい本。今回も良い読書タイムでした。