忙しい現代社会、心が疲れちゃう事もよくあります。
疲れちゃった時はどうしてますか?
僕は中国古典の老荘を読むようにしています。
孔子や孟子、韓非子とは異なり、脱力系なメッセージがたくさん込められているから好き。
今回出会ったのは図書館から借りてきたこの本。
『流されるな、流れろ』
タイトルからして深い。
⒈荘子との出会い
大学時代、僕は文学部哲学科東洋哲学専攻でした。
くる日もくる日も漢文を読む日々。
当時は、「江戸時代かよ!」なんてつっこんでいました。
西洋哲学だとなんとなくおしゃれな感じですが、東洋哲学はひたすら漢文ですよ。
何度、「子曰く」って言ったことか。
そんな中、3、4年のメインのゼミで『荘子(そうじ)」をやる事になりました。
先生が普段研究していたのは董仲舒だったと記憶していたが、ゼミを通じて違う価値観にも触れたいとの事だった。
初めは儒家思想との大きな価値観の違いに戸惑った。
そう、視点が違うのです。
詳しくはここでは説明しないけれど、ざっくりいうと儒家思想は「人として正しい事をしましょう。」という事に対し、荘子や老子は「角度変えたら違って見えるよ。自然な姿こそが正しい。」みたいな考え。
正直、ひねくれ真っ最中の僕は「コレ良いな!」とすぐに受け入れる事になった。
⒉大人になってから読むと違う
大人になってから、原文のまま読むのはハードだ。
漢和辞典片手に書き下し文を作るなんて、もうできないし、やりたくない。(やってる人、まじで尊敬します。)
そんな中、原文載せつつもエッセンスを抜粋した本が今は読める。
今回読んだ本は、これだ。
そして、大学から20年経ってから読むとまた感じ方が違う。
わかってきたこともある。
無為自然っていうのは何もせずに自然に従うというよりも、変化する環境や社会情勢を自然に受け入れて対応するって事じゃないかなと感じつつある。
— 中村弘和@ブラックな公務員 (@nakachannel104) March 4, 2021
流されるんじゃなくて、流れる感じ。
水のように形を変えながら流れていくのも良いよね。その極意プロフに載せようかな。
あ、おはよう。#おは戦30305mk
上善は水の如しという老子の教えも有名ですが、この本での荘子の無為自然に関しての解釈がものすごく好きだな。
人間なのだから感情は乱れて当たり前。なおかつ人間なので感情はいずれ変化します。
— 中村弘和@ブラックな公務員 (@nakachannel104) March 4, 2021
どんな状況も変化の過程にあると自覚できれば、焦燥も不安もいつしか消えていく。
ハーバード大学やエール大学やNASAの研究ではないけど、中国の古典『荘子』にはそんな事が書いてあったよ。僕の心のバイブル。
感情もありのまま受け入れる。
その時は焦りもあるし、不安もある。そうこうしているうちに時間も経って状況が変わって、あの頃の気持ちも変わってるなんていう事はよくあること。
そんな風にも思います。
この本、挿絵も可愛いし、解説も読みやすいし、おすすめです。多分、買い直す。
⒊感謝の気持ち
このブログを書いている令和3年3月で大学時代にお世話になった教授が退職されます。
自分で選んでおきながら、
「哲学なんて世の中のなんの役にも立たねえよ!」
なんて思って、法律や経済や経営の学部にしとけば良かったなんて思った時期もありましたが、社会人になってから哲学を学んできて良かった。と思う事がしばしばあります。
それは、
価値観は一つではない
という事を様々な場面で感じるから。
ダイバーシティな社会になってきて、いろんな人のいろんな生き方を許容していく社会になってきている。
みんな違って、みんな良い。
それを素直に受け入れる事ができるのは、あの時に先生が『荘子」をゼミのテーマで選んだ事がキッカケだなとも感じてる。
そんな機会をくれた先生には感謝しかない。
今日も明日も流されず、自ら流れるように生きていこうと思う。