古典読んでますか?
今でも残ってる古典は、ちょっとした最新のビジネス書よりも読む価値があるのではないかと考えています。
そこで今回紹介するのは、『韓非子』。
中国の春秋戦国時代の思想家です。
帯の煽り文句がすごいですよね。
・三流は三国志、二流は孫呉(孫子と呉子)、一流は韓非子。
・マキアベリよりも早く現代政治学を創った男。
・乱世の権謀術策。
・賢君など無用
あの頃というと、孔子の儒家を始め、いろんな思想がいろんなところで広まった諸子百家の時代。(漫画のキングダムの時代でもある)
⒈韓非子の原典を書いた人は
韓非(かんぴ)という戦国7雄の中でも一番小さい国の公子であった人が書きました。
諸子百家の中での分類は”法家”
若い頃、儒家の流れを汲む荀子(じゅんし)に師事し、その学を深めていったとされています。
法家の考えは、文字通り、
ルールによって、世の中の流れを作る
ということで、もう少し深掘りしながらシンプルに言うと、綺麗事だけでは世の中やっていけないという考えを持っていたのが韓非でした。
⒉有名な話
矛盾というお話は多くの人が知っていると思いますが、出典は韓非子です。
そしてあの名作、”チーズはどこへ消えた”よりも2千年以上前に書かれた守株。
などなど、今のいろんな慣用句に使われている言葉が生み出されています。
基本的には、人の本能について鋭く解説されており、
・ルールより感情を優先させてしまう
・権限を超えて何かをやろうとしてしまう
・新しい変化を嫌う
・いつまでも昔のようにあり続けたい
・自分勝手な考えは人としてあり得る
・ズルい人っていうのは存在している
といったことを具体例を挙げながら痛烈にコメントしています。
こんな時、ダメになる傾向がある。そしてその解決のためにどうしたら良いのか、という事が書いてあるのです。
⒊後半の3割くらいはちょっと違う
おそらく、韓非自身が書いておらず、後世に誰かさんが書き加えたと思われる後半の3割くらいの部分はちょっと毛色が違います。
急に老子の無為自然を称賛し始めるので、「おや?」っていう感じになります。
という事で、個人的には、ここより前の部分が重要だと思っています。
ちなみに漫画キングダムで登場する人物も何人か関連しています。
・李斯(韓非と共に荀子に学んだ)
・慶舎(キングダムだと趙の将軍だけど、実際は違う):
他にもいるかも。
韓非子の思想のほとんどは、
・ルールとシステムをしっかり構築する事。
・何かの判断基準をしっかり定めて感情でやらない事。
です。
⒋まとめ
古典をガチの漢文や古文で読むと疲れます。
今は現代語訳の本がたくさん出ていますので、そういった本から触れて、昔からある不朽の名作を読んでみるのも良いと思います。
現代の生き方に繋がってくる。
今まで生き残ってきている本だからこそ、(テクノロジーのことを除けば)今でも充分に活かせる事が多いです。
最新だから良いという気持ちもありますが、たまには2千年以上前の人の考えに触れるのも良いですよ。
つづく